AX いのまたゆう子『亀田君は宇宙人』〜今日の古本から~

いのまたゆう子『亀田君は宇宙人』〜今日の古本から~

いのまたゆう子_亀田君は宇宙人ど〜してもまた、いのまたゆう子を読みたくなって古本を1冊入手。
月刊flowersの2006年5月号別冊付録、『空想館』。
表題の作品が掲載されてます。
うん、確かに当時読んだ記憶があります。

いのまたゆう子さんというのは、その昔『プチフラワー』や『flowers』にちょこちょこと短編を掲載していた漫画家さん。
ご覧のとおり、絵柄は地味すぎ、昭和の香りすら漂ってくる感じ。
少女漫画誌の中ではかなり浮いてました。

『亀田君は宇宙人』は、同級生が実は宇宙人なのではないかと主人公が勝手に疑うお話。
ラストシーン、20年後の同窓会でもまだ疑ってます。
でもこれ、”疑惑”という形を取った”関心”であり、つまり、少年時代特有の”無条件の友情”なのですよ。
コミカルな短編の中でそうしたテーマをさらりと滲ませて読者にほっこりとした読後感を与える、やはり今読んでもうんうんと頷ける作品です。

この作者が結局1冊の単行本も残すことなく消えてしまったのは、残念という言葉では言い表せないほど悲しい....

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